千歳病






結構白石に頼っている自分がなさけなくて恥ずかしい。








「あ、名前」

「……………何」





まだ何かあるのかな、恥ずかしいからあっちいってほしい…






「千歳が構ってくれないからってすねるんやないで」

「………なっ…何言って…」

「千歳テニスやってるときは真面目やからな、いつも名前にひっついてる時と大違いやん。せやから名前が寂しがってるんやないかおもてな」

「……………っ」






顔が赤くなるのがわかった。顔が熱い。あーもう!白石のばか!!せっかく気付かないようにしてたのに…。なんだかさらに恥ずかしくなったから白石にそこらの小石を投げてみた。






「わっ危ないやん!」

「……あほ」

「はは、図星や」

「………ばか、」





なんだか白石が憎くなってきたからあたしはもう少しでかい石を投げてみた。





「あほ!痛いわ!」

「…………………」

「ま、しゃーないな、練習の後に可愛がってもらい」

「………もういい、あっちいって」

「はいはい」







白石はニヤニヤしながらコートへ戻っていった。千歳がテニスに夢中であたしにあんまり構ってくれないのは確かに悲しいし寂しい。でも練習中だけじゃん!欲深いよ、自分。








ぼかっ


「いたッ!なんばしよるね!」

「邪魔っす。でかすぎて」









向こうの方で越前君にボールを当てられてる千歳が見えた。へんな組み合わせ…。越前君が羨ましいと思ったあたしは極度の千歳病なんだとおもう









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