叩き起こせ!





越前君は桜乃ちゃんとか手塚君が起こすだろうと思いあたしはとりあえず財前君と遠山君の様子を見に隣の部屋へいってみた。







ガチャ

「おはようございま…」

「金太郎―!!はよ起き!!」

「ぉわっ」




あたしが部屋に入った瞬間白石が遠山君の敷き布団を引っ張って遠山君がごろごろ転がった。うわ最悪な起こしかただ…。財前君はというと上半身だけむくりと起こして放心状態。眠そう。ていうか寝てる?この部屋は白石に任せれば何とかなるだろうとあたしは他の部屋を回ることにした。





「名字さん、おはようございます」

「おはよう。早いな」

「あ、柳生君に柳君、おはよう」







…あれ、柳生君と柳君がもうここにいるってことは立海部屋にのこってるのは丸井君仁王君赤也君あとハーフっぽいひと(名前忘れちゃった!)なんだか立海部屋が心配になってきた。柳生君と柳君はあの寝起きの悪そうな3人を起こしてくれたのか?それともあのハーフが1人で今起こしてるのか?



「………………」





あたしは急いで立海部屋へとむかった。





ガチャ


「失礼しまーす…」

「いてっ!やめろ赤也!」

「あ〜…うるせえ…」





そこには大の字に寝てる丸井君と部屋の隅っこで小さくなって寝てる仁王君と、起こそうとするハーフ君を殴る赤也君だった




「(うわ…こなきゃよかった)」

「…あ!名字!いいとこに来てくれたぜ。柳生も柳も先にいっちまって困ってたんだ…起こすの手伝ってくれないか?」

「う うん、(ところであなたの名前は?)」





名前なんだっけ、でも外人だよな、マイケルっぽいしマイケルにしとこう。マイケル君は丸井君にはチョコレートを近付ければ起きるとアドバイスしてくれたから、丸井君のおやつのチョコレートを近付けてみた。





「…ん〜…うまそうなにおい…」

「丸井君丸井君、朝だよ」

「あれ名字…それくれんのか?」

「え、あ、うん」





丸井君はチョコレートを渡されると目が覚めたのか活動開始した。なかなか簡単に起きてくれてよかったな。マイケル君はまだ赤也君と奮闘してる。そして部屋の隅っこには仁王君が、あーあめんどくさそう…






「………あのー」

「………………」

「……仁王君、朝」

「………………」





反応がない。そこであたしは仁王君の脇を突いてみる。くすぐったかったからだろうかもぞもぞと動いた




ピピピピピ



「あれ…電話?」



急になったあたしの携帯にうつしだされたのは白石の名前。なんだろう



「もしもし…」

『名前?今なにしとんねん』

「…仁王君起こしてる」

『はよ起こして朝練きてや』

「……朝練…?」





そういえば昨日朝の担当はあたしが朝練担当、桜乃ちゃんが洗濯物回収分別担当になったんだった!こってり忘れてた…




「で、でも仁王君が起きなくて」

『殴り起こしいや!』

「え?そ、そんな無茶な」

『名字』


電話ごしに雑音が聞こえたと思ったら真田くんの声が聞こえてきた。




「……真田くん?」

『名字』

「は、はい」

『叩き起こせ』

「え……?」

『叩き起こせ』

「…………………」




その日は初めて朝から人の尻をひっぱたいた日となった






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