あ、また会った
「…………うわ」
「「…………うわ」」
「なんなんすかあんたら」
「合宿の買い出しばい」
「…もしかして財前君も?」
「そりゃ、明後日やし」
「あ、今日はお財布もってますから」
「当たり前っすわ」
千歳が九州から帰ってきてもう1週間がたった。あれからは千歳のアパートに泊まったりあたしのアパートにとまったりもう同棲状態。お母さんが知ったらどうなるのだろう。因みに今日は明後日の合宿のためにいつものスーパーにきたのだけれど、またいたよ財前君…
「あれ先輩、今日はお菓子買わないんすか」
「うっさいわ」
「財前!名前いじめるんじゃなか」
「いやいじめてませんて。これやからこの二人はいやなんや……」
財前君はぷい、と顔をそむけて歯ブラシコーナーへ向っていった。
「…ホントに嫌味ばっかだなあ」
「名前」
「ん?」
「手」
千歳は手を差し出してくる。え、スーパーで手つなぐの?何て言ったら千歳の機嫌が悪くなりそうだったからあたしは千歳の小指をぎゅっと握る。長い指だなあ
「名前、必要なものってなんね」
「………………歯ブラシ?」
「……………………」
▽
「ちょ、なんなんすか」
「仕方なかよ。目的ば一緒なんやし」
「ついてこないでください」
今日も平和です。