罪悪感
「……なにこれ」
¨仕事終わったらすぐに四天部屋に集合!¨
真田くんも手伝ってくれて少し早く洗濯が終わり、ケータイを開いたら白石からメールが入ってた。四天部屋ってたしかあたしの部屋の隣じゃないっけ。なんなんだろ。とりあえず桜乃ちゃんと真田くんにおやすみを言ってあたしは四天部屋へとむかった。
コンコン
皆の部屋に着いてドアを叩くとドアの向こうから「名前ばい!」という声とドタドタと騒がしい足音が聞こえてきた。うわ千歳だ。
バタン!
「名前!」
勢いよくドアが開くとあたしはギュッと抱きつかれて息ができなくなった。苦しい
「名前!会いたかったばい」
「……千歳、一時間くらい離れてただけでしょ」
「ばってん淋しくて死にそうで」
「……………」
「名前ちゃんやーん!」
「名前みてみこれ!俺がつくったんやで!」
あたしに抱きつく千歳を無視して部屋から小春とユウジがでてきた。うわ、あっぱれな格好してるなあ。まあ似合ってないことはない。
「…うん、いいんじゃない?」
「よっしゃあ!ユウ君、次のネタもいけそうやな!」
「小春のアフロめっちゃかわいいで〜」
合宿でもネタ合わせかあ、大変だなあ。ていうか千歳重い、誰か助けて
「おっ名前やん。やっときたか」
「白石…見てないでこれはがして」
「無理や。ずっと名前てうるさかったんやで!」
「千歳、とりあえず中入ろ?」
「ん〜」
あたしは千歳を引きずり部屋へ上がった。そこにはトランプで盛り上がる財前君と謙也と遠山君、ネタ合わせしてる小春とユウジがいてかなりうるさかった。石田君はどうしてこんな状況で寝れるのだろうか。
「あれ?この将棋セット…」
部屋の隅にはやりかけの将棋セットが。なんでこんなところに将棋セット?
「ああ、俺がもってきたばい」
「え?家から?」
「ああ、一回俺ん家戻ったときに鞄にいれてきたとよ」
「……………………」
そうか、朝荷物が重かったのはこれのせいか。あたしは千歳の弁慶に足蹴を食らわせてやった。
▽
「……痛か」
「知らない」
「なに喧嘩しとるん?」
千歳は弁慶を手で撫でながらあたしに目でいろいろ訴えてくる。うるさいなあ。
「で、白石さっきのメールなに?」
「ああ、せやから千歳をなんとかしてもらおうおもて」
「え?」
「名前一緒に寝るたい!」
千歳と寝るのはいつものことだけどもし千歳と寝たことが真田くんとかにばれたらどうなるだろう。なんだか即強制送還な気がする…
「……無理。」
「え!?」
「無理。」
「やだ!」
「千歳、今日は別々に寝よ?」
あたしの言葉にみせた千歳の表情は今までに見たことがないくらい悲しそうでなんだか罪悪感が残ってしまった。