真っ赤
「名前、これも洗ってくれる?」
「不二君…久しぶりだね」
「あれ、名前前よりちょっと背伸びた?」
「…それはもういいって」
あたしは不二君から空になったボトルを受け取りあらいはじめた。
「もう練習終わりなんだよね?」
「ああ、一応ね。まだ練習してる人もいるけど…」
コートをみるとまだ真田君と白石と…あと千歳もいる。珍しいなあ。今日は本当に真面目だ
「名前、僕旅館に戻るけど一緒に戻る?」
「………あたしはいいや」
不二君はそっか、と言ってラケットを持ち旅館へ戻っていった。
・
・
「名前、名前」
「…あ、千歳」
今すっごいぼーっとしてた。あれ?いまあたしどれくらいぼーっとしてた?
「千歳、今何時?」
「ん?まだ5時すぎたい」
よかった、そんなに長くはぼーっとしてなかったらしい。でも真田君も白石ももう片付けをはじめている。あたしも手伝わなきゃ
「白石、ボール」
「おおきに!あ、名前そこのボールもとって」
「はいはい」
よし、なんとか片付いた。いまからもしかしてご飯?そういえばあたし支度しなくていいのかな
「ねえ白石、夕飯の支度って…」
「ああ、今回は従業員の人たちが全部やってくれるらしいで」
「そうなの?」
今回すごいリッチだな。あたしの仕事は一体………
「名前、かえるばい」
「あ、うん」
「手」
「…あ、」
ぐいっと千歳に手を引かれた。いつもやられてるのに今日はなんだかドキドキする。テニス真剣にやってる千歳はいままでみたなかで一番かっこよかったかも
「…………あほ」
「ん?」
「………なんでもない」
そういえば真田君がいるの忘れてた。手を繋ぐあたしたちをみて真田君が真っ赤になってた。