寂しい





青空に強い日射しに緑のコート、本当に合宿って感じだ。




「あっつい………」






ご飯を食べたあと少しだけ休憩を入れて練習が始まった。皆すごい頑張ってる。あたしは暑さで既に死にそうなのに…すごいなあ。あ、謙也休憩だ。






「はい、タオル」

「おおきに!あ、水も−」

「はい」

「は−生き返るわ」





謙也は水をいっきに飲んで直ぐに練習に戻っていった。すごいなあ、どこにそんな体力あるのかなあ




「…………タオル欲しいっす」

「あ、はいはい」



急に声がして、あたしは直ぐにタオルを手に取り振り替える。あれ?誰もいない………




「…下なんだけど」

「………は!え、越前君!」

「本当にアンタ失礼だよね」

「(君に言われたくない…)」





越前君はタオルをとって汗を拭いた。こんなに小さいのに凄い体力あるんだよね、すごいなあ




「…なんかまたでかくなってるっすね」

「え?…さっき桜乃ちゃんにも言われたよ」

「だってデカイっすもん」

「そんなに?」

「…………あ、」




越前君は近くを通りかかった白石をひっぱってあたしの隣まで連れてきた。





「わわ、なんやなんや」

「………あんまりかわんないっすね」

「あたしと白石が?」

「…確かに、名前前よりちょっと目線高くなったなあ」

「背伸びたのかなあ…」





ああもう、これ以上でかくなってどうする!越前君はぶつぶついいながら練習にもどっていった。仕方ないでしょ身長は。どうしようもないもん。




「名前、今ひまか?」

「え…うん、忙しくはないよ」

「せやったら千歳にタオルと水渡してきてくれへん?」

「千歳?」

「一度夢中になるとずっとテニスしよるからなあ、休憩するのも忘れとるで」






コートをみると真剣にテニスする千歳。そういえば千歳はテニス上手なんだよね、いつものだらけた千歳とは大違いだ。






「千歳」

「…あ…名前、」

「これ…」

「あ、すまんばい」





息切れして汗かいて、なんだかいつもと違う千歳。真剣になる姿はどんな人でもすごいなあって思う。タオルで少しだけ汗を拭って水を飲むと直ぐに練習にもどっていった。






(……なんだか淋しいなあ)










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