それは胸の中にある











時間が流れるのは案外早いもので、いつの間にか気温はずっと低くなり冬へと季節が移り変わった。











「…木がハゲてる…」
「名前、なんかその発言ヤダ」
「ごめん」








友子はあたしの前の席に座ってポッキーを食べている。あたしたちの制服もいつの間にかセーターを中に着るスタイルになっていた








「寒いねえ」
「うん」
「おなか減った」
「うん」
「ポッキーちょうだいよ」
「ヤダ」
「ケチ」
「もう12月だね」
「うん」
「あたし、今年もクリスマスはフリーだ」
「あはは」
「何笑ってんのよ、あんたもでしょ」
「あたしは予定あるよー」
「え!?」
「約束したもん」
「…誰と?」











今日は12月1日。もう冬だね


































「おーい、仁王ー、」
「………」
「お前さ、やっぱ変だぜ」
「……」
「名前さんのとこ出てった頃からぼーっとしすぎだろい!もう二カ月も経ってんのに」
「…うっさい」








あれから二カ月が過ぎた。毎日同じマンションに帰るのに、違うドアを開ける日々はなんだか俺の気分を悪くさせた。あれから名前ちゃんを見ていない。見ようとも思わなかった。変に気持ちをほじくり返されそうだったから













「なあ。仁王今度誕生日じゃね?」
「……ああ」
「誕生会すっか!ジャッカルん家とかで」
「……いらん」
「は?」
「予定はいっとるし」
「なんだよ、お前さっそく女かよぃ」
「ぶんちゃん静かにしんしゃい」


















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