見えない約束
急いで風呂に入って夕飯の片づけをして、あたしは学校へ向かった。
「雅治いくよ…って、そうだ、もういないんだった」
靴を履いてカギをかけて、あたしは学校へと向かった。
いつも雅治と一緒だった道がなんだか違う道に見えてクラクラした。しばらくすると学校が見えてきて、いつも雅治と別れる場所についた。
(学校、いかなきゃ)
だけど足が動いてくれなかった。学校になんだか行きたくなかった。そのままあたしは学校とは逆の方向へと向かって行った
グイ!
「おい」
「きゃっ」
急に手をひかれて、びっくりした。振り返ってみるとそこには柳君がいた
「どこへいくんだ」
「え…学校」
「学校はこっちだぞ」
「あ…あれ…?」
「……名字、少し付き合え」
「え」
柳君はそのままあたしを引っ張って学校の近くにあるカフェに入って行った。
「…あたしたち、今学校サボってるんだよ」
「そうだな」
「不良だね」
「そうだな」
「…ねえ、いいの?」
「お前のためだ」
「あたし?」
「仁王が出て行ったんだろう」
「…うん。」
「悲しいか」
「悲しくないよ」
「そうか」
「うん」
「それじゃあ泣くな」
「………うん」
いつのまにかボロボロあたしは涙を流していた。ああ、あたしはいつの間にかこんなに雅治のこと好きになってたのかなあ
「あのね」
「何だ」
「多分雅治は帰ってくる」
「何だその予想は」
「予想じゃないよ」
「なら多分はいらないだろう」
「だって約束したから」
あたしちゃんと待ってるよ、だって約束したんだから