うまれたての悪魔が言った




長い長い夏休みが始まった。あたしはだらだら勉強したり散歩したり友子と遊びにいったり雅治の世話をしたりといつもの変わらない日々を送っていた。雅治はというと家でだらだらしたりたまにフラっとどこかへ出掛けたり、柳生君と勉強したりしていた。風の噂で今年立海は全国優勝はできなかったとは聞いたが、雅治が試合で勝ったのか負けたのかは未だにわからない。多分知らなくていいと思う。それがあたしのポジションだ。






「暇だなあ」
「あんた何であたしの家に入り浸ってるのよ」






今あたしは友子の家にいる。ていうか最近友子の家で1日の半分以上を送っていることが多い。






「自分の家帰りなさいよ」
「だって今柳生君がきてるんだもん」
「…だから何」
「邪魔したくないじゃん」
「ちょっと、あの家の主はあんたでしょ」
「だって一緒に勉強させられるし」
「…そんな暇なら彼氏の一人や二人作れば?」
「いや、二人もいちゃいけないでしょ」
「こないだのバスケ部の長坂君、まだあんたの事好きらしいよ」
「え、うそ」
「ホントホント」
「でもあたしには雅治いるし」
「その理由おかしくない?」
「そう?」
「仁王君はあんたの彼氏じゃないでしょ」
「……」






まあそうなんだけど…雅治の世話で手いっぱいだし。







「…はあ、夏休みかあ」
「何」
「つまんないなあ…」






















ガチャ







「…ただいま」
「おかえり―!」





ひょこっと出てきたのは丸井君だった。え?増えてる?








「なんでいるの…」
「いや、勉強しに」
「ていうか何人きてる?靴多くない?」







玄関にはごちゃごちゃと靴が脱ぎ散らかしてあった。多分一足だけきれいに並べてあるのは柳生君の靴だろう。他の靴の様子から多分真田君と柳君はきていない。








「あ、名前ちゃんおかえり」
「ただいま」
「お邪魔してます」
「あ、名前さんだー」





そこにいたのは雅治と柳生君と赤也君とそして丸井君。なんて騒がしそうなメンバー…







「じゃあたしはこれで」
「どこいくんだよぃ」
「名前さんも勉強したらどうですか?」







寝室に籠もろうとしたら丸井君に腕をつかまれた。正直今勉強する気にはこれっぽっちもならない。





「そういえば今どこ行ってたんスか?」
「どこでもいいでしょ」
「あ、もしかして彼氏とか?」
「………」
「いや赤也、名前はどう考えても彼氏はいないだろい」
「あー確かに、キツそうっスもんねー」
「…かっ彼氏だし!」
「「え」」









今やばい事口走ったかも!



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