幸せですか
「まーさー」
「………」
「はーるー」
「………」
「朝だよ―」
「………」
「ていうか昼―」
「……ん」
朝おきたらもう昼になっていた。多分夜中に帰ってきた雅治がしっかりとあたしの横で眠っていた。何時ごろに帰ってきたのかなあ。
「…名前ちゃん」
「わっ、びっくりした」
「……ねむい」
「大丈夫?焼き肉焼き直す?」
「…いい」
「……あ、そう」
「名前ちゃんも寝よ」
「え」
振り払って掃除でもしようかと思ったけど体がうまく動かなかった。結局あたしは雅治とぐだぐたな昼を迎えることとなった。なんだかんだであたしは雅治に甘いよなあ
・
・
なんだかあたしと雅治がいるこの部屋だけ違う時間が流れているような錯覚がした。時計をみるとまだ3時だ。もう何時間も雅治と寝転がっていた気がする。その雰囲気を破ったのは雅治だった。
「…名前ちゃん」
「……何?」
「…疲れた」
「そっか」
「…もう夏休みじゃな」
「そうだね」
「これからいっぱい遊ぼ」
「…受験勉強は?」
「問題ないナリ」
「……………」
「いや?」
「え、ううん、遊ぼ」
あ、雅治が笑った。かわいい。