愛ある少女の悲しみ





「解答終了。後ろの人集めて」







やっと長かった期末テスト期間が終わった。あたしは伸びをして、解答用紙を渡した。関東大会から1週間、雅治はとにかく毎日部活に行っていた。全国大会に向けて練習しているのだろう









「あんた今日から放課後どうするの」
「ああ、雅治のこと?」
「そ。また待ってるの?」
「…いや、やめとく」
「え、なんで」
「なんとなく」







友子は「喧嘩でもした?」と言っていたが別に喧嘩はしていない。なんだか、雅治の部活を待っているのが嫌だった。自分が邪魔者みたいに感じたのだ




「ふうん…じゃ、帰る?」
「うん、帰ろ」

















「じゃあね」
「うん、また明日」






あたしはスーパーで買い物をするために友子と別れた。今日の夕飯何にしようかなあ








「あれ?」
「なんだ、名字か」








スーパーに入ると目の前に柳君がいた。何故?






「え、何でいるの?」
「いてはダメか」
「だって部活…」
「今日は休みだ」
「え…」
「仁王が言ってなかったのか」
「…まあ、部活の話とか最近しないし」
「…そうか」







あたしはかごを持って買い物を始めた。柳君と買い物するときがくるなんてなあ









「もう明日から夏休みだね」
「そうだな」
「部活はもうすぐ全国大会でしょ?」
「ああ」
「大変だね」
「…夏休みの間も仁王はお前の家に居候するのか」
「さあ、どうだろ。多分そうだと思うよ」
「まあ、実家になんてほとんど毎日帰ってるようなものだしな」
「…………え?」







柳君の発言がよくわからなくてあたしは彼の方を振り返った









「……毎日って…?」
「…もしかしてお前知らないのか?」
「何を?」
「仁王の本当の家だ」
「知らないよ、雅治も言ってこないし、余計な詮索もしたくないし」
「……………」
「何?雅治の家ってどこなの」










「お前のマンションと同じだ」






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