よせよって言った
目が覚めたら隣に雅治がいた。なんだか目蓋が重い。あれ?
「…ああ、そういえば…」
寝ぼけた頭が働きだして、夜中のことを思い出した。今日は休みだし、もう一眠りするかな
グイッ
「え、」
上半身だけ起こしていた状態で、腕を引っ張られた。雅治に。あたしは雅治の抱き枕状態になった
「ちょ…、雅治、起きてるの?」
「…ん………」
「…寝呆けてるのか」
「…名前ちゃん…好き…」
一瞬体が熱くなった。顔が火照っているのがわかった。落ち着け自分、今のは寝言だ寝言
「…動けない……」
▽
「…ん〜…」
「…雅治、お願い起きて…」
「…あ、名前ちゃん」
「お、おはよう」
「朝から積極的じゃのう」
「あんたが抱きついてきたんでしょ!早くどいてよ!」
雅治はしぶしぶあたしを離してむく、と起き上がった。一時間も雅治に抱きつかれていたのだ。なんか疲れた…
「よく眠れた?」
「…まあまあ」
「朝ごはんいる?」
「…いらん」
「不健康だなあ」
雅治はぼーっとしながら窓の外を眺めていた。
「…名前ちゃん」
「何?」
「俺、寝言いっとった?」
「…な、にも…」
「…ふーん」
あたしは雅治の方は見ずに、朝ごはんの支度を始めた