生憎ですが、私は貴方を存じません。


「ここだよ」




彼を連れてあたしは家に帰ってきた。自転車をおきにいって彼の元へ戻るとなんだかぼーっとした彼の姿があった





「…どうしたの」
「…いや、なんでもないナリ」
「そう?あ、エレベーターこっちだよ」





二人でエレベーターに乗り込み、しばらく沈黙が続いた。それにしてもかっこいい子だな。これで中学生って、日本は広い。エレベーターを降りてあたしの部屋の前につき、ドアを開けて彼を中へいれてあげた。





「いまお茶出すから。適当に座ってて」
「どーも」






お茶を入れるためにお湯をわかす。その間にシップを探しに部屋へいった。





「あった」



まだ新品のがある。よかった、買っておいて。するとキッチンからやかんの音がしてきたので急いでキッチンへもどった








「どーぞ」
「…熱そう」
「煎れたてだもん。腕だして」





彼はケガをした腕の袖をめくった。青く痛々しい打撲のあとがある。なんだか申し訳ない。




「冷たいよ」
「う…」
「ごめんねこれくらいしかできなくて」
「十分じゃ」
「ねえ、お名前は?」
「あんたは?」
「え、あたし?」
「まずは自分からじゃろ」
「名字名前」
「仁王雅治」
「仁王君か…」




仁王君はあたしの部屋を見渡し、壁にかかっていた制服を見つけて少し驚いていた





「あんた高等部か」
「うん。明日入学式」
「…俺のことしらんのか?」
「あたし外部生だから」
「ああ」





仁王君て有名なのかな。





「…なあ」
「はい」
「事故って普通警察いくもんじゃろ」
「うっ…」
「あんた、警察いきたいか?」
「…やだ」
「そうか」




仁王君はあたしの反応にクスクス笑っている。





「…け、警察いくの?」
「さあ、どうじゃろ」
「……………」
「条件一個で警察行きは無しにしてやるぜよ」
「えっ本当?何?」







「俺を居候させる」




いやだ




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