うつくしい世界がわたしを殺す


「名前ちゃん、起きてー」







雅治の部活を待つという過酷な日々にも大分慣れてやっと休みがきた。あーもう寝かせろよばか








「うるさいなあ…頭いたいの」
「雨じゃしな」
「…はー、偏頭痛か…」
「…名前ちゃん起きんの?」
「起きない」
「じゃー布団中はいってもよか?」
「よし、起きよ」






切り替え切り替え。あたしはメソメソする雅治を退けてリビングへと向かった。







「はー、せっかく休みなのに雨か」
「なあ名前ちゃん今日何すんの」
「うーん…何しようかな……あれ、雅治今日部活休み?」
「おう」
「へえ…なんかするか」
「あ、そうだ今日」








ピンポーン









誰だ。まだ眠いのに。頭いたいのに。あたしはダルイ体を引きずって玄関へと向かった







ガチャ




「は………い?」
「おはようございます、名字先輩」









ドアを開けたら柳生君が、いやそれだけではない。その後ろにワクワクした赤髪君ともじゃもじゃ君、そして監督さん柳君…なんのイベントだ









「雅治」
「おう」
「これは一体?」
「今日ここで勉強会することになったんじゃ」
「…………」
「ってさっき言おうとした」
「こういうことは前の日に言いなさい」









なぜあたしの家で勉強会をされなきゃならないんだ!しかも今パジャマ、さくらんぼパジャマだ。アホか









「ほう、名字の寝間着はさくらんぼ柄…と」
「キサマ、こんな時間にそんな格好をしているとはたるんどる」






いやまだ8時半だよ。休日なんだからいいじゃん








「…はあ、頭いった…もう雅治、なんとかして」
「えー」
「あんたの客でしょ」







よし、二度寝しよう。で、彼等の接待は雅治に任せよう。あたしが寝室に戻ろうとしたとき、柳君が何かを呟いた








「…数学38点、か」
「は?」
「お前の中間の結果だ。高1初期の数学でこの点数はまずいな」
「こら雅治、あんたなんか言ったでしょ」
「ああ、ついのう」
「ふざけんな!」







あーもうますます頭痛くなってきた!ていうかあたしのバカさがばれてしまう








「…国語は『わー!!』」
「…社会は『わー!!!』」







こ、このままじゃあたしの地位っていうか誇りっていうか、いやそんなものもとからないけど…とにかくダメだ!








「…どうぞ狭い部屋ですがおあがりください…」
「ああ、悪いな」
「へへっお邪魔しまーす」
「へー結構綺麗じゃん」








嗚呼あたしの休みが




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