落とし前はちゃんとつけてね


とりあえずあたしは近くのスーパーへ自転車を転がした。適当に野菜やら肉やらを買って、あたしは再び自転車にまたがった







(明日はご飯どうしよう)




一人暮らしなんて所詮楽しいのは最初だけなんだろう。こんな長くも続かない幸せに浸っていたあたしが憎らしい。そうすればあたしの一人暮らしは続いたかもしれないのに






ガシャーンッ






人とぶつかった。相手は歩行者。あたしは自転車。明らかに悪いのはあたしだ。明日のご飯なんてあとでかんがえればよかった。一人暮らしの幸せに浸ってぼけっとしていただなんて、あたしらしくない。とりあえず相手を助けなきゃ





「すみません!あたしがよそ見してて…立てますか?」
「……痛いナリ」





なんか、変な話し方だな。ていうか学生じゃん。しかもこの制服、立海大付属中学のなんじゃ。あたしはあれこれ考えたい事が出来たがまずは相手の救出をしなければ





「あ、手を」
「どーも」
「どこかケガした?」
「……腕」





彼がぺらりと袖をめくると青ずんだ皮膚が現れた。やばい、骨とか折れてないよね






「ご、ごめんなさい!病院つれていくから」
「いらん」
「え、でも」
「あんた、金あるのか?」
「…ない」
「生憎俺も今は金がなくてのう」
「あの…それじゃああたしの家で手当てしてもいい?」
「…いいのか?」
「だってあたしが悪いし」







あたしは自転車をひきながら彼を家に案内した。よかった、ちゃんと部屋片付けておいて





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