出来損ないの左様なら
「雅治の友達って面白いね」
「え?ああ、濃いじゃろ」
「うん」
「まだ他にもいるぜよ」
「そうなの?」
「オッサンみたいな奴とか、あと外人とか」
「す、すごいね」
「…あとキレーな奴もおる」
「へえ」
「今は入院中じゃ」
「…そうなんだ」
なんだか深刻そうだったからこれ以上聞かないことにしよう。
「雅治と帰るの久しぶりな気がする」
「確かに」
「………そうか」
「え?」
もしもあの告白を受けたら、あたしはもう雅治といられないってことだよね
「…雅治は…」
好きな子いる?
「何じゃ?」
「…なんでもない」
「変な名前ちゃんじゃのう」
「あはは」
あたしにとって、この子は何なんだろう。一番考えなくちゃいけないことなのに、一度も考えたことがなかった。ただの居候?なんか違う気がする
・
・
「…おーい名前ちゃん」
「………何?」
「大丈夫?」
「……うん」
「目が変な方向むいてるぜよ」
「……うん」
なんか色々考えてたら頭がパンクしてきた。
「コーヒー飲む?」
「…んー」
「ていうかもう寝る?」
「…んー」
「…だめじゃなこりゃ」
雅治はぼーっとソファーに座るあたしを置いてどこかへ行ってしまった。あ、お風呂掃除してくれてるのか、エライエライ
「どうしようかなあ…」