気づかないなら滅んでしまえ


「名字さんちょっといい?」





参考書を眺めていた休み時間の時だった。誰だか知らない人に呼ばれた。勉強妨害!











「付き合ってほしいんだけど」
「は?」








やばい。間の抜けた声が出てしまった。ていうか彼は何者?ていうかこのクソ忙しい時に告白すんな








「返事はまた今度でいいし、ゆっくり考えて」
「…はあ」







あたしはゆっくり勉強がしたいよ







「名前っ」
「あ、友子」
「ねえ!今の長坂君じゃん!」
「誰?」
「バスケ部の!背高いしモテるんだよ」
「へえ」
「え、何何告白?」
「もーうるさいな」






友達の友子が騒がしい。バスケ部かあ。こないだの劇の相手といい最近バスケ部と関わりが多いなあ























今日は図書室で勉強してから帰ることにした。もう夜7時。帰ろうと思って校舎を出ると、中学のテニスコートはまだライトがついている。あたしは少し雅治を覗きに足を運んだ









「…あ、雅治だ」





どうやらちょうど終わりの挨拶のようだった。雅治に声かけよっかな










「…あ!名前ちゃん!」
「雅治」
「何しとるんじゃ」
「今学校帰り。一緒に帰る?」
「帰る!」








犬みたいな雅治の頭を撫でてあげると雅治は着替えるために部室へ向かった。あ、汗ついたちくしょう。





















「おや、名字先輩ではないですか」
「あ…柳生君…?」
「ええ。仁王君ならもうすぐ来ますよ」
「ありがとう」
「あ!仁王の保護者!」







急に部室から出てきた赤髪の少年に指を指された。あ、この子雅治と一緒に劇にでてたような







「俺丸井ブン太!シクヨロ〜」
「丸井、一応先輩だぞ」






あ、柳君だ。一応って何なんですか









「名前ちゃん、帰ろう」







やっと雅治が出てきた。なんだか濃い友達ばっかりなんだね













「帰ろうか」






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