馬鹿だ馬鹿だとは思っていたがやはりお前は本当の馬鹿
文化祭当日。あたしは朝早くから学校にいって劇の準備をした。こてこてのドレスを着せられ気分は中世ヨーロッパだ。午前中には終わるから少し気分がらくだった。午後は中等部にいって雅治の王子姿をみてやろう
「名前、かわいいじゃん」
「似合ってる」
「あはは、ホント?」
衣装の準備をしてるときあたしの周りには女子が大量発生していた。すると教室の入り口から女子の黄色い声が聞こえてきた
「きゃーっ仁王君!」
「どうしたのこんなところに!」
え?仁王って、雅治?
「名前ちゃん」
雅治が目の前にいる。何故
「何してるの?文化祭の準備は?」
「めんどくさいから抜けてきた」
「……………」
「名前ちゃん緊張してると思って励ましにきたんじゃ」
「…別にしてないわよ、緊張なんか」
本当は緊張しまくってた。でも雅治がきてくれたおかげで緊張がほぐれた。そんな本音は雅治には言えない。つくづく可愛げのない女だと自分で思った