泣きそうになって顔を歪めた
「暇だなあ」
「名前ちゃん、お腹へった」
「…どっかいくか、休みだし」
まだゴールデンウィークが続いている。今日は久々に雅治も部活が休みだ。
「え、ホント?」
「うん、行きたいとこある?」
「名前ちゃんの行きたいとこ」
「……うーん」
そういわれると困る。特に行きたいとこはない。
「…散歩しよっか」
.
.
「雅治、合鍵もった?」
「持った」
「窓しめた?」
「しめた」
「よし、じゃあいくよ」
やっぱり雅治はかっこいい。しっかり私服を着させてみたけど、なんだかそこらのモデルよりかっこよかった
「名前ちゃん」
「何?」
「手繋いでいい?」
「だめ」
「何で」
「学校の誰かに見られたらやばいから」
ただでさえ二人で歩いてるのもやばいのに
「…手、つなぎたいのう」
「………だめ」
「………もーいい」
あ、拗ねた。雅治は早歩きでどっかいってしまった。
「雅治」
「…………」
「雅治?」
「………何」
「お肉、買いにいこっか」
「………いく」
雅治をみてたら自然と顔が笑顔になった