真昼のネオンサイン




今日からゴールデンウィーク。雅治は朝から部活だ。(因みにあたしは帰宅部)今日は雅治と練習を見に行く約束をした。高等部と中等部の校舎は近いから道程は心配ない。でもなんだか無駄にドキドキした。







「………ひ、広い」




ここどこだろ。ついたのはいいが校内が広くてコートが見当たらない。もう、どうしよう!






「おねーさん、高等部の人?」





急に話し掛けられてあたしは勢いよく振り向いた。そこには髪がもじゃもじゃの男の子。しかも手にはテニスラケットが。もしかしてテニス部?





「あ、テニスコートを探してるの」
「それならこっちっスよ!にしても、テニスコートの場所知らないなんてあんた外部生っスか?」
「うん、高校から立海」
「へ〜、あ、ついたっス」






そこには広いテニスコートが。さすが私立だ。設備がいい。雅治はどこにいるんだろう







「じゃ、俺はこれで」
「あ!待って!あの、まさ…仁王君いる?」
「仁王先輩?…あんた仁王先輩のファンっスか?」
「は?」
「仁王先輩しつこいの嫌いですし、やめといたほうがいいっスよ」





無性に腹が立った。あたしは雅治のファンじゃないししつこくもない。むしろ雅治のほうがしつこい。ああもう、気分悪い






「名前ちゃん?」





もじゃもじゃの頭の後ろに、コートから走ってくる雅治がみえた






「名前ちゃん!遅かったのう」
「……迷ってた」
「ん?赤也なにしとるんじゃ」





赤也というもじゃもじゃ少年はびっくりした顔であたしと雅治を見ている





「え、知り合いっスか?」
「今世話になっとる人じゃ」
「げ!そーなんすか!スイマセンファンとか言っちゃって」
「いや、いいよ別に」






今気付いたがテニスコートを女の子達がぐるりと囲っている。そうか雅治はモテるのか







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