テニス部員な彼女




マネージャーの仕事はめんどくさい。だけど練習を見てるとつくづく皆はすごいと感じる。白石とかめちゃくちゃテニスうまいし、天敵千歳は九州にいたときも有名だったっていうし。あたしは運動はほとんどできない。できたとしても、小学生まで習ってた空手くらいだ。



「名前〜ドリンクくれんか」

「はい。お疲れさま。白石君。」


ドリンクを渡すと一気に飲んで、からになった容器を私に渡して練習に戻っていった。白石もなんだか男前にみえる。スポーツの力ってすごい。




***


「今日はここまで!」


白石の一言で部活がしめくくられた。皆が部室へと帰っていくなか、忍足だけは遅刻の罰でグラウンドを走っていた。



「名前!ちょっとええか」

「・・・?なに。」

「これ、毎年やっとる合同合宿の要項や。青学から送られてきたんやけど、名前も目え通しといてや」


そういえばもうそんな季節かあ。一年てたつのがはやい。白石から要項を受け取ると、私も更衣室にいって制服に着替えた。







着替え終わり、荷物を持って校舎を出る。私の騒がしい1日はまだ終わっていないのだ。


「名前〜!おそいで!」



校門には白石千歳小春ユウジ財前君があたしを待っていた。別に約束はしてないのに、あたしがマネージャーになってから彼らは自然と帰り道にあたしを待ってくれるようになった。生憎あたしには友達がいないので、ちょっと嬉しかったりする。(口に出せないけど!)




「名前ちゃん、かえるで!」


あたしの横はいつも小春だと決まっている。一番話しやすいから。


「今日な〜、結局光てばくまに顔面ちゅうしたんやで!めっちゃおもろかったわ〜」

「ほんとにやったんだ・・気の毒だなあ」



後ろにはユウジが悲しそうに歩いてる。ごめんね、小春とっちゃって



「名前は小春とだとよくしゃべるばい」

「一体俺たちの何がいけないんや・・・」

「こはる〜〜〜・・」

「名前先輩て男嫌いなんスかね」



後ろがゴニョゴニョなにか言っていたが聞こえなかった。





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