泣いた彼女



「高橋さん・・・なんで・・」

「・・・寝ぼけたこといわないでよ。わかってるでしょ?」

「・・・・なにが?」

「ああもう!あんたのそういうとこむかつく!」


うわはっきりいってくれますね。





「あんたが目障りなの」

「・・・・うん、知ってる」

「だからこういう状態に至ったのよ」

「・・・よくわかんない。あたし捕まえてなんかなるの?」

「なるわよ、わかんないの?」

「・・・?」

「あんた頭いいんでしょ?ミスコンに出させないためよ」

「え・・・・・?」



なんで?なんか意味あるの?全く理解できなかった。


「なんで、ミスコン?」

「・・・・あんたホントはバカでしょ」

「・・・だってよくわかんないし・・・」

「あんたがミス四天宝寺じゃなくなればあたしたちだって少しはアンタをバカにできるの」

「は?」

「だってそうでしょ!?頭よくてミス四天宝寺で、そんなやつが白石君とか謙也君に近づくのが気に入らないっていってもただのひがみじゃない・・っ」

「・・・っ、そう、なの?」

「あたしたちが好意であんたに嫌がらせしないとでも思った?本当にボケてるわね」




理解できた。そうなんだ、別に高橋さんたちが優しいから、いい人だから、あたしに嫌がらせしないってわけじゃなかったんだ。ボケてるにもほどがあった。なんだか悲しくなって涙が出てきた。



「もっといいこと教えてあげるわよ。あんたがミスコンで優勝しなければ、テニス部の皆だってアンタのこと必要としないわよ」

「え・・・・?」

「白石君だってあんたをミスコンに出させたがってたでしょ。ミスコン優勝するくらいの美人ならあのテニス部のマネージャーになっても誰も文句言えないしね。」

「・・・・あ・・・だから・・・白石は一年の文化祭のあとにあたしを誘ったのか・・・」

「そういうことよ。もしかしたらみんなアンタのこと顔がいいからちやほやしてるだけなんじゃない?あんまり平和ボケした考えばっかしてんじゃないわよ」




その瞬間涙があふれた。皆顔が目当て・・・?そんなはず無い。だってみんなあんなにやさしいし、すごく楽しくて・・・。でももし顔が目当てだったら?ミスコン優勝しなくちゃあたしは必要とされなくなるのかな。目の前が真っ暗になった





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