行方不明の彼女



「名前、ミスコンて何時集合なん?」

「えっと・・・11時かな。今何時?」

「今10時45分や」

「あ、もうそんなに経ったんだ」

「ミスコン本番の前に一回戻ってくるんか?」

「うん。そのつもり」

「ほならまたメールくれや」

「わかった。じゃあいってくるね」



白石にメールする約束をしてあたしはミスコン出場者の集合場所の体育館へむかった。体育館のなかは少し蒸し暑くてなんだか嫌な感じだった。しかもそこにはもうミスコン出場者が集まっていて異様な雰囲気をかもしだしている。やだなあ、女の戦いって感じ。



「じゃあ今から打ち合わせを始めます。」




担当委員のながったらい話が始まった。




***



(やっとおわった・・・)


時計をみるともう12時。早く戻らなきゃご飯食べれなくなっちゃう。あ、あと白石にもメールしなきゃ・・・。ケータイを取り出そうとしてあたしは一度立ち止まった。そのときだった。




ガッ






頭を何かで殴られたようだ。じんじんする。くらくらする。キモチワルイ。なんなの急に、一体誰が?一気に頭の中で疑問が浮き上がり、あたしは力を振り絞って目を開いたが、そんな努力はむなしく消え、あたしは気を失った。





***



「なあ、ミスコンの説明会ていつまでなん?」

「え・・・さあ、ようわからんけど・・・。あ、でもさっき隣のクラスの出場者の都ちゃんみかけたで」

「ってことはもう終わってるのか・・・」

「なんかあったん?」

「いや、名前が終わたらメールするゆうてたんやけど、メールきいへん」

「名前?あたし電話してみよか?」

「いや、さっきした。でもでないんや」

「なんかあったんかなー・・・」



気になった愛子と白石は名前を探しにいくことにして、教室を出た。校内にいた忍足、千歳、一氏、小春、石田、財前と全員に聞いて回ったがまったく目撃情報もなかった。


「・・・どないしよ、名前どこやねん」

「はよ飯くわなミスコンまにあわんで」



みんなも仕事がいったん落ち着いたから名前探しに協力してくれることになった。





***





「う・・・いた・・っ」




目を覚ますと薄暗い部屋にいた。ここどこ?っていうか頭が痛い。殴られたトコがじんじんする。犯人は大体わかっていた。だってもうあの人以外考えられないから。



「・・・目覚めた?」


「・・・・・・・やっぱり・・。高橋さん」




ああ、一波乱の始まりだ














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