告白される彼女



千歳が居なくなって、屋上にポツンと独りになってしまった。なんかさみしいなあ。一人でごろんと寝転がって空を見上げる。ああ、気持ちいい。本当にずっとこんな毎日がいいな。すると急にギィと古ぼけたドアが開いた。一瞬千歳が帰ってきたのかと思ったけど、全く違った。




「あ・・苗字さん、こんなところにいたんだ」

「あ・・・えっと」

「あはは、苗字さんならクラスメイトの名前も覚えてないかもなあ。俺同じクラスの朝倉健」

「あ・・・同じクラス・・?ごめんね名前忘れてて」

「いや、まあそんなことだろうと思ったし」



あたしの印象どんだけわるいんだ。でもクラスメイトの名前くらい覚えなくちゃなあ。



「あ、えっと・・何か用?」

「・・・用っていうか・・、ちょっと苗字さんと話したくて」

「あたしと?(あたしと会話なんで悪趣味)」

「苗字さんて最近変わったよね、話すようになったし話しかけやすくなったよ」

「あ、うん。最近よく言われるよ」

「はは、なんかいいことでもあった?」

「・・・特に心当たりはないけど・・・」



ホントにあたしが明るくなったのはなんでだろう。あああ不思議。



「苗字さん、彼氏とか興味ないの?」

「かれし・・?・・ああ・・・、うんあんまり」

「じゃあ好きな奴いないの?」

「う・・ん。」

「じゃあさ、俺と付き合ってよ」

「・・・は?」




まてまてまて。何か最近皆おかしい。なんであたしがいいの?あ、そういえば跡部のことわすれてた。ってそうじゃなくていまはこの・・・うわまた名前忘れちゃった・・。とにかくこのクラスメイトのことに集中しなきゃ


「あたしの何がいいの・・・?止めといた方がいいよ」

「そう?苗字さんはたくさん魅力があると思うけどな」

「魅力・・・・?(ないだろ)」

「まあ返事はいつでもいいから。あ、それとあんまり文化祭準備さぼっちゃだめだよ」

「・・・・・・はい」






なんか風のような人だったな。いろいろありすぎて頭がパンクしそうだった。





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