またさぼる彼女


文化祭の準備は仮装だからかなり楽になった。特に着たい格好もないし、あたしは当日のことは適当に考えて文化祭準備は殆ど屋上でサボっていた。風が気持ちいなあ。文化祭も悪くないかも(サボれて)



「名前?」

「・・・・・」

また千歳か。本当にあたしの行く手を阻むやつだな。せっかく気持ちよくサボろうと思ってたのに。でもまあ前ほどきまずくはないし・・・。一緒にサボるか



「あれ、今日は一緒にサボってくれると?」

「・・・まあね」

「名前むぞらしかー」



なでなでとあたしの頭を触り髪の毛をいじってくる。あたしは無意識に千歳の髪をみつめた。これってパーマ?っていうかセットしてるのかな。それともただのねぐせ?


「名前・・・?」



はっと気付くとあたしは千歳の髪をなでていた。しまった。なんか変なことしちゃったな。マズイ、とおもいあたしはぱっと手を離した。



「あ・・・、えと、千歳はパーマ?」

「ああ、天然ばい」

「なんかいい感じにうねってるよね。それなら天パも悪くないかも」

「・・・今日はよく喋るたいね」



確かに。やっぱりあたし前より喋るようになったよな。今更実感してきた。でもなんでなんだろ



「あたし、少し変わった・・・よね?」

「前より明るくなったばい」

「・・・ちょっとうれしいな」

「・・・っ・・。名前スマンばい。俺ちょっと謙也に用が・・」

「え・・あ、」


千歳は急にばっと立ち上がってバタバタと屋上をでていった。どうしたんだろう。急に忍足に用ができたのかな。





***



「謙也」

「ん?お、千歳やん。どないしたん」

「俺変になったたい」

「は?・・・ま、まあお前は確かに変やけど・・」

「そぎゃんこついってるんじゃなか!」

「・・・?????」



ああ、そうだ、謙也はヘタレだったばい






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