会長と話す彼女
「…てなわけで。うちのクラスは仮装して校内うろつくっちゅー担当になったわけや。準備期間は1週間!もう日がないで!何に仮装するかは自由や。ほな今から各自で話し合いしてくれや」
クラス委員、白石の発言にクラス中がわーっと叫んだ。もちろん喜びの意味で。三年のたった一クラスが選ばれる『仮装』。一番楽で楽しい役目だ。でも仮装かあ…。あたしはなにしよう。
「名前!合宿どないやった?」
「え……た、楽しかったよ」
「へ〜よかったやん。ちょっとやけたんちゃうん?」
久しぶりにあった愛子があたしのほっぺたをさわった。あ、すこしヒリヒリするかも…
「………なあ名前」
「何?」
「なんかあったんか?」
「え…何で?」
「なんや雰囲気変わたなー思て」
「そう…?なんか皆に言われる」
やっぱりそうなのかな。あの後バスの中でもあたしが変わったみたいな話になったのだった。自分では実感ないけどなあ…。
「名前仮装なににするんや?」
「…白石……」
「白石はもう王子様コスで決まりやな。ぴったりや」
「おえ」
「おえてなんやねん名前」
白石は王子様かあ…。まあ喋らなければいけるかも。あたしは…
「名前はナースなんてどうや?」
「白石変態みたいやで」
「なんやねん提案しとるだけやんけ」
「な、ナースはちょっと…」
「あ!!!わすれとった!!!」
白石は急に叫んで自分の席に戻り、ガタガタと机と鞄をあさってあたしのもとへ一枚の紙をもってきた。
「名前、これ」
「……ミス四天宝寺……?」
「去年も一昨年もでたやろ。どっちも名前が優勝したやつや。」
「あ〜そういえば」
「今年もでるやろ?てかでなあかんで。はいここ名前かいてー」
「ちょ、ちょっと」
あたしは半強制で申し込み用紙に名前をかいた。めんどくさいなあ
「へ〜苗字さんミスコンでるんや」
「え…あ、はい」
急に話し掛けてきたのは、テニス部ファンクラブの会長(多分)の高橋さんだった。びっくりした…まさか話し掛けられるとは
「ふうん。たのしみやな」
なにその笑み。にやって感じの笑いに少しぞっとした。一言いうとまた自分の席に戻っていった。なんだったのかな…
「なんやねんあれ!感じわるいわ」
「なんや一波乱ありそうやなあ」
白石に同感。