猫をみる彼女


皆は朝6時半起床だけどあたしは皆より早く6時におきる。あたしは朝起きるのが苦手だからこの合宿は苦痛でたまらなかったけど気付けばもう合宿は最終日。早いなあ。とりあえず顔を洗い髪を整えてあたしは一階へ降りる。まだ誰も起きてないその空間はなんだか心地よかった。


「…あれ?」



玄関を見ると無造作に脱ぎ捨てられたスリッパが。あたしより先に起きた人がいるのだろうか。あたしは好奇心にかられてスリッパを脱ぎサンダルを履いて外に出た。ドアを開けると山特有の空気が鼻をくすぐる。


「………!…千歳君?」

「名前…、起きるのはやかね」


意外だ。まさか千歳だったとは


「…………何してるの?」

「ここみるばい」


千歳が指をさしたのは草むらの影。あたしは恐る恐る除いてみた。


「…猫…?」

「ここの料理長が飼っちょるんばい。ばってん、跡部には秘密たい」

「…そうなんだ…可愛い」

「名前も朝はやかね。毎日これくらいに起きてると?」

「うん。今から食事の支度しなきゃ」

「俺も手伝う」



千歳はひょこひょこあたしの後ろについてきて、食事の支度を手伝ってくれた。



「名前はかわったばい」

「え?」

「合宿前より話すようになったばい」

「そ・・そう?」

「前なんて俺に対する返事ば¨うん¨¨あ〜¨¨は?¨ばっかだったたい」

「そうだっけ・・・」


あんまり変わってなくない?という本音は胸に閉まっておいた。でも本当に少しでも変わったのなら嬉しいかも。




***


「ちがう、それはこっち!あ〜〜違うってば!」

「ちょ、まつたい!ご飯ば右で・・」

「ちがう!ご飯は左で味噌汁は右!」


ああもう千歳ってどうしてこう役にたたないのかな。こんなの常識じゃないのかな。そうこうしているうちに皆が降りてきてしまったらしい。普段はされてる朝食の準備がされていないのだ。千歳のせいで!(立海のテーブルは真田君のおかげで完璧な準備が施されている)


「名前…寝坊でもしたんか?」

「白石君・・千歳君が手伝ってくれたんだけど逆にてこずっちゃって・・・」


「千歳〜なにしとんのや」

「ちょ、まつたい!!白石ご飯と味噌汁の置き方ばしっちょるか?」

「そりゃあ茶碗が右で味噌汁が左やろ」



ああもう四天宝寺はアホばっか!







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