説得する彼女
1日目は筋トレ中心で、あたしは四天宝寺と立海の担当だった。2校の仲はなんともいえない。仲いいのかなあ。四天宝寺のほうをみると遠山君がテニスしたい、と嘆いていてまた白石ともめている。もう何度この光景をみたことか・・。立海のほうは、
「名前先輩!先輩って好きな食物とかあるんスか!?」
「・・・切原君、練習しようね」
切原君が、うるさい。無駄にあたしに絡んでくる。遠山君とは違ううるささだ。あたしが軽くあしらえば切原君のうるささは更に増す。
「いーじゃないっスか〜、先輩彼氏とかいます?」
「・・・・いません」
「え!うっそ!」
あたしが彼氏いないのがそんなにおかしいのか。あ、なんか相手にするの疲れてきちゃった。
「切原君、真田君呼んでくるよ?」
「!!!ちょ、待ってくださいよ〜!」
真田君と出すだけで切原君はあっさりと引き下がり、他のみんなより一層がんばりはじめた。おもしろいなあ。そんなこと考えながらあたしは四天宝寺の方へ戻った。
「あ!名前―!」
「遠山君、練習は?」
四天宝寺のところへいくと、遠山君が暴れていた。白石ももう手がつけられないといった様子だ。
「名前〜テニスしたいねん」
「・・・遠山君、スポーツはなんでも基礎が大事だよ、怠ってたら他の人に負けちゃうよ」
なんてかっこいいこと言ってみる。でもさすが遠山君!単純だ。
「い、いやや!俺筋トレしてくる!」
遠山君は焦りながら筋トレを始めた。扱いやすくていいなあ。
「名前!」
「白石君」
「ようやった!いまめっちゃ困ってたんや」
「いいよ、遠山君は結構扱いやすいから」
白石、ホントに困ってたんだな。部長て大変だよなあ、としみじみ実感。あ、なんか千歳と目が合った。
「名前、元気なかね」
「え・・・、そう?」
突然な千歳の言葉に体がとまった。跡部のことを気にしている自分にもそれに気が付いた千歳にもあたしは疑問ばかり浮かんでいた。