冷たくされた彼女
立海の人たちに案内するのが意外と時間がかかってしまった。(ていうか真田君と切原君のせい)あたしが小走りで氷帝の人のもとへかけつけるとそこにはさっきの跡部と、眼鏡の人とでっかいひとと寝てる人がいた。
「遅くなってすみません・・っ」
走ったから息がきれる。すると眼鏡のひとが近づいてきた。
「大丈夫かいな、そんなあせんなくてもええのに、」
「でも・・・待たせちゃったから・・」
ちら、と跡部を見るとさっきの真田君みたいな顔をしていた。うわ、絶対おこってる・・・
「おせえよ」
一言、はっきりとあたしに言い放つと跡部はでっかい子を引きつれてどこかへいってしまった。え、なんで。そこまでおこること?あたしが唖然としているとまた眼鏡のひとが声をかけてきた。
「すまんなあ。あいつは無視してええからな、名前ちゃんやったっけ?俺忍足侑士や。よろしくな」
優しい彼の言葉はなんだかホッとする感じだった。・・・・・・・・・・ん?忍足?
「忍足って・・・」
「なんやきいてへんのか?俺、謙也の従兄弟やねん」
「そういえば・・・去年従兄弟がいるみたいな話してた気が・・」
「ま、俺のことは侑士呼んでくれてええからな。忍足じゃまざるやろ」
「あ、うん。侑士君・・」
なんかへんな感じ、あと横にねっころがっているひとが気になる。
「この人は・・・」
「こいつは芥川ジロー、万年寝太郎や。起こしても無駄やから」
「そ、そうなんだ・・・」
侑士君に部屋割りを教えると、芥川君を引きずって部屋へ向かっていった。あたしの心には跡部の冷たい言葉がささったままだった。今までマネージャーの仕事であんなに冷たくされたのは初めてで、なんだか無駄に気にしちゃう。いつも時間に気を遣うほうだからこんなことないのに、
「(あ、なんか泣きそう)」