紹介する彼女
コートでは千歳と財前君が打ち合いをしていた。コートの脇で白石が少しだけ休憩していたのでちょうどいいと思い、あたしは遠山君を連れて白石のところへかけよった。
「白石君」
「!名前か、どしたん?」
「一年生でどうしてもうちたいって子がいて・・・・」
「なーなー名前!こいつ誰なん?」
うわ、部長をこいつ呼ばわりした。かなりいい度胸だなあ。白石はよくわからない顔をしていた。
「し、白石君、この子遠山金太郎君。遠山君、この人部長だよ」
「部長さんやったんか―!よろしゅう、遠山金太郎いいます!」
「なんや愉快な子ーやなあ。遠山君やったっけ、そんなにうちたいん?」
白石の問いかけに目を輝かせてやりたい!て叫ぶ遠山君はやけに野性的。なんてばかにしてたのもいまのうちだった。この後遠山君のテニスに心底驚かされたのは言うまでもない。