用心深さを忘れてました


何故だ。今日は月曜日。完全なる出勤不可日。なのになのに、こんな個人的に呼び出すなんて、そんなのアリ?わたしの休息を返せ。まあ給料でるしやるけどサ。放課後、私は盛大なため息を尽きながら荷物をまとめていた。隣では相変わらずのデブが、ガムを膨らませながらこちらをじっとりと見つめている。



「お前最近ため息多いよな。何かあったのかよい」
「…ブン太君は今から部活なの?」
「は?今日は部活ねえけど」
「はっ、ご気楽なもんで」
「なんだオマエ」


いいないいないいな!!!私だって家帰りたい。それでテレビ見ながらポテチ食べたい。そんな私の日々はどこへいった。マヌケ顔のブン太を見てたらまたため息が出た。

「人の顔見てため息すんなよ。まじで怒るぞ」
「いいですネー自由な人はー。」
「あん?」
「はいはい、私忙しいから、またね」
「お前な、本っ当に怒るぞ?」


きゃんきゃん鳴いてる忠犬ブン太に手を振って、私は教室を出た。足が重い。鉛の様だ。呼吸をする度にため息を吐き、
過呼吸寸前な状態で私は最寄駅へ向かった。いやため息関係なしにもう過呼吸寸前な気分なんだけども




電柱に隠れながら、駅の改札を覗き込む。そこにはあのでっかいリムジンもなければ、サングラスをかけたSPもいない。あれ?と思い改札へ近寄ると、其処には一人だけ、立海とは異なる制服の男の子。景吾サマだ。


「遅かったじゃねえか」
「あ、はい、ちょっと…重くて…(足が)」
「なんだ、そんな荷物重いのかよ、俺様が持ってやってもいいぞ」
「あ、いえ。お気遣いなく…」


私はてっきり跡部様所有のリムジンが迎えにくるものだと思っていたので、すこし拍子抜けな感じだった。まあこれが普通なんだけども。


「いくぞ」
「あ、はい…」










「でさー、あいつまじでウザくてさ、俺の顔見てため息つくんだぜ」
「お前ら仲良しじゃのう」
「だーーちがーーう!」
「ほう、丸井には好きなやつでもいるのか」
「うるせえ柳、そんな自然体で情報収集すんなよい」


久々の部活オフの日の帰り、俺は仁王、柳、そしてジャッカルという異質メンツで帰路についていた。ジャッカルはさっき俺と仁王にジュースオゴらされて、すっからかんになった財布の中を覗き込んでいる。ほんと、不憫なやつだぜ。俺が言うのも難だけど。



「仁王はいいだろうよい、隣の席の俺のみにもなってみろよ、毎回毎回ため息つきやがって」
「ほいほい。で、ブンちゃんは名前ちゃんが大好きなんじゃな」
「だからちがーーー…う…」


いつもの帰り道、最寄駅の改札で見たもの、それはあいつとその隣に男。え、しかも跡部?跡部じゃん。え、何?どういうことだよい、



「ありゃー、ぶんちゃん、失恋じゃのう」
「ほう、あれが丸井の好きな相手か、しかも恋敵は氷帝の跡部、と」
「……っ」



なんであいつと跡部が一緒に?大体ここ神奈川だぞ、どういうことだよ、





なんでだよーーーー!!


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -