デブと詐欺師に励まされました




「おーっす名前、今日早えじゃん」
「…あ…丸いか…」
「丸井だよ」
「おはよ、朝練?」
「そ、疲れたぜ」


隣の席の丸い…丸井ブン太。こいつはマブダチだ。家近いし。小学校同じだし。それにしても、今日は金曜日。明日はついにバイトが始まる日だった。




「はあ…」
「なんだよ溜息ついて、辛気臭えな」
「私…ずっとここに居たいよ…」
「は?」


丸井はポッキーをほおばりながら私に色々喋ってくる。いつもはウザイとか思うけど、今は幸せにすら感じる。





「何、なんかあったのかよ」
「…うん、実は」





…はっ
だめだだめだ、言ったらだめだ。私は年をごまかしてバイトするんだから。こいつに言うのはだめだ。あせる、口滑るとこだった







「ん?」
「…いや、え、、っと、なんでもない」
「なんだよ、きもちわりーな」
「うるさいバカ」



キーっと丸井が怒りだした。私は無視して授業の準備をする。今日一日を、大切に過ごそう…。たとえ丸井がうるさくても。












「いやああああああ」
「うわっなんだお前」
「やだあああ終わらないで今日」
「何言ってんだよぃ」




なんかしらんがあっという間に一日が過ぎた。いつもは長く感じるクソ授業が今日はやけに短く感じて、気づいたらもう夕方になってた。やだああ




「うぅぅやだああ帰りたくないよ丸井ぃぃ」
「…お前、まじでどーした」




丸井はポッキーの残りを差し出して、食うか?と言ってきた。なんだいいやつじゃん。こいつも人に食べ物分け与える能力があったんだ。おっと失礼



「どーしたんじゃ苗字、今日は騒がしいのう」
「あ、仁王」
「におおおおおおお」
「そんな眉間にシワ寄せてたらかわいい顔が台無しじゃ」
「もおお、仁王すき!!」
「なんだよお前ら」






仁王はやさしい。いつも私にかわいいって言ってくれる。誰かさんと違ってさ。丸井を睨んだら、なんだよ、ポッキーやんねえぞって言われた。ほらやさしくない







「…ありがとう二人とも、私頑張る」
「何を」
「人生辛いこともあるよねそりゃあ」
「なんかよーわからんが、がんばりんしゃい」
「うん!!!!!」







よっしゃあああ燃えてきた。えーと、とりあえず労働基準法によると八時間労働で時給三千円だから8×3000=24000ってえええええええまじ?一日で二万四千?てことは二回×四週間で8×240000=19万2千円…









まじで?




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