傍にいます



『お前は特別だ』





そんなこと言われたら、私もう、あきらめがつかなくなっちゃうよ






「私、貧乏だよ」
「知ってる」
「頭もそんなに良くない」
「知ってる」
「可愛くないし」
「…………」
「お金持ちの人たちのマナーとか知らないし」
「そんなの俺が教えてやる」
「センスないし」
「そうだな」
「でも景吾はお金持ちだし」
「そうだな」
「格好いいし」
「そうだな」
「…………」
「なんだよ」
「頭もいいし」
「そうだな」
「…テニスもできるし」
「そうだな」



「私じゃあ釣り合わないよ」
「…………」







少しの間、沈黙が走った。やっぱり釣り合わない。景吾の横にはいられないんだ、






「名前」
「…なあに?」
「俺の専属メイドはお前だけだ」
「うん」
「俺の部屋に勝手に入れるのもお前だけだ」
「うん」
「俺の部屋のカギを持つ女もお前くらいだ」
「うん」
「俺を叱ってくれるのもお前だけだ」
「…叱ってほしいの?」
「この天の邪鬼」











「傍に居ろって、言ったんだよ」




跡部家メイド物語
どうやらメイドを抜け出せたようです

















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