勝手に申し込まれました



私苗字名前。立海大付属に通う中学三年生。神奈川県に住んでます。容姿も普通、学力も普通、いたって普通な私に、ある日天罰が下った




「…ごめんね名前」
「あ、謝らないでよ、お母さん」





現在家のリビングのソファー。小さな正方形の机を、私とお父さんとお母さんで囲っている。なんで、なんでなの。私は今まで平凡に過ごしてきたのに、神様のイジワル





「…すまん名前、俺の力不足で、不況の波に流されてしまった…」
「…遠まわしに言わなくていいよ。リストラしたんでしょ。ク・ビ」
「う…っ」
「で、私は、どうしたらいいの」




お父さんは肩を小さくしながらお母さんの後ろに隠れた。まったくだらしない、まあ仕方ないけどさ。不況だもんね、この時代…。




「…あのね名前、本当に申し訳ないんだけど、名前にもバイトをしてほしいの」
「バイト?別にいいけど…私まだ中学生だよ?」
「そこはもう…目をつぶってもらうしかないわ」
「…まさか高校生のフリするって?」
「仕方ないわよ、そうでもしないとお金ないのよ」
「…でも…」



ばれたらどうすんの?怒られるの私じゃん。



「どうせ立海の高等部に進む予定なんだし…大丈夫よ」
「いやでも、どこで働けっての」
「之を見て頂戴」




お母さんはガサっと一枚の紙を渡しに渡した。








「…バイト、募集…仕事、御屋敷のメイド…週1からOK、…時給3000円!?」
「そうよ」
「え、これ、なんか変なやつじゃないの?」
「大丈夫よ、ここ見なさい」
「…?」



お母さんが指さしたところには、「跡部財閥」と書かれている。跡部財閥ってあの跡部財閥?もしかしてその社長さんのお屋敷みたいな?え、それ私なんかでいける?






「…無理」
「大丈夫、あなた家事得意だし」
「でも」
「実はもう申し込んであるの。さっき返事も来て、OKって」
「はあ?」
「土日は暇でしょう?部活もしてないし…ねえ、ダメかしら」
「…いや、…それって」









私に拒否権ないじゃーん!




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -