見つけました


最近跡部の機嫌がすこぶる良い。誕生日が迫ってるからか?と思ったけどそうでもなさそうや。ここは直球勝負、本人に聞いてみた。



「跡部、最近ご機嫌やなあ。なんか良いことあったん?」
「あーん?てめえには関係ねえだろ」
「オオアリや。部活にも影響するしなあ」
「…何もねえよ」
「景ちゃん最近新しいカギつけとるなあ。めっちゃかわいいの。もしかして其れが関係してるん?」
「うるせえヘンタイメガネ。さっさと帰れ」



ちょっとあかんかったな。そんなわけで俺は学校の正門で跡部を待っていた、跡部家の使用人にこっそり話を聞いてみた。






「ああ、景吾様ですか?最近入ったメイドの女の子にべったりでね。どうやらひどく気に入っているらしいですよ」
「メイド…?」
「はい、確か立海の高等部の女の子ですよ。苗字さんていう」
「そうか、おおきに」





立海の高等部、ねえ。年上やん。まさかメイドにハマってるとは。跡部、あかん道に走ろうとしてんちゃうんか…





その日は部活もなく、ほんの少しの好奇心が働いて、俺は電車に乗って立海へいくことにした。跡部が夢中になってる女の子、一体どんな子なんやろ。たった、それだけだった。
立海には何度か来たことがあるが、中等部と高等部を間違えそうになった。高等部へ行き、適当な生徒に声をかける。女の方が答えてくれそうだろう。



「苗字さん?」
「アカネ知ってる?」
「うーん、知ってるけどぉ、」



二人組の女子高生に適当に声をかけた。どうやら彼女たちの話によると、知っているけどそれは男だという。まさか跡部がホモになったとも思えず、俺は校門のところで路頭に迷っていた。他の女子生徒や、男子生徒にも声をかけたが、全員知らない、もしくは知っているが其れは男、という回答だった。





「ほんとにおるんか?その苗字さんてヤツは」




わざわざ神奈川まで足を運んだのだ。一目でいいからその子を拝んでみたい。そうモンモンと考えている時だった。キラリ。見覚えのあるものが、目の前を通った。
ふんわりした髪の毛で、普通に整った顔の、普通の女の子。特に特徴は無いが、その鞄についているキーリングには、今朝跡部のキーリングについていたものと同じデザインのものがついていた。この子や。この子が苗字さんなんや。…でもなんか違和感がある。










「今の…中等部の制服ちゃう?」





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