馬鹿鈍感アホイケメン
「げ」
「あ」
頭冷やそうと思って、学校の周りあるいとったら、千歳に遭遇した。あかんめっちゃ気まずいやん
「……さっきぶりやな」
「…ああ」
「お前部活こいや」
「…さっきん子と、どっかいくんじゃなかと?」
「…………」
「ははっ……フラれたとか?」
「…ちゃう、…ふったのは、俺や」
「…は」
千歳がびっくりした顔をしてた。そりゃそうやな。さっき千歳から俺の女やから放せみたいなこと言ってかっさらってた子なのに、俺からふったとか謎やわ
「なして?」
「……あの子が、泣きだして、」
「……」
「そしたらもう、俺頭ん中苗字ばっかになってもて」
「…男装時?」
「俺、やっぱ名前ちゃんより、苗字が大切みたいなこと言ってもうたわ…」
「は?」
驚くと思ってた千歳は、今までに見たことないような表情を見せた。え…なんでなん?
「…何おこっとるん?眉間にしわ寄ってるで」
「あたりまえばい!白石アホたい!」
「な、なんやねん急に」
「なして気づかんと?名前見て、誰か思い出さんかった?」
一瞬頭が真っ白になった。そりゃ思い出したにきまっとるし。いやでも、…え、なんなん?わけわからん
「…意味わからんわ」
「それ本気でいっとると?」
「……本気やけど」
「白石はほんとのアホたいね」
「お前さっきから何なんほんま」
「もっかい考え直した方がよかよ、
名前と、名前に似てるやつのこと」
そう言い放つと、千歳はどっかに行ってしまった。てか、やっぱ名前ちゃんと知り合いやん。どこで知り合ったん?千歳、苗字とも妙に仲良かったし、もしかしたらあいつが一番俺の障害物……あれ、…あれ、
あれ?
「名前ちゃんと千歳が知り合い…?」
一本の、線が通った。でも、普通だったらめっちゃありえへんことやし、信じられへん話や。でも、そうじゃないと、全部辻褄があわん。
「…ほんまのこと、聞こう、」
俺は名前ちゃんが走って行った方へ走った