修羅場





「あ」
「あ」


男子トイレに駆け込むと、そこには見慣れたおっきい奴。



「千歳」
「なんね、その格好。まるで祭りばい」
「え、あ、これ、文化祭の衣装。メイド喫茶やることになってさ、謙也の
アホな提案のせいで」


ひらひらやねぇ、と衣装をもそもそ触る千歳に間を取った。なんか照れ臭い。
ちらっと千歳をみると、じっと私を見つめてる。


「なんだよ、悪かったな似合ってなくて」
「そんなこついっとらんばい。むぞらしかよ?」
「だからなんだよむぞむぞむぞむぞ、」
「だから、」






「かわいい




って、言ってるとよ」
「え…」




その瞬間、目の前が真っ暗になる。千歳に、抱きしめられてる。え、なんで?なんで?状況が読み込めない、どーなってんだこれは!



「ちょ、千歳!離せばか!」
「…もうたえられん。」
「なにが!」
「好き。」






ーーーーえ?






「いま、なんて…」



千歳の腕の中で、必死に千歳の顔をみようとしたが、全く見えない。そのかわり、目が合った。






トイレに入ってきたのは、
白石君だった



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