骨と皮
「か…」
「か…」
「「「かわいい!!!」」」
トイレから戻り、周りの視線を気にしながら教室へ戻ると、クラス中がわっと集まってきた。だああ恥ずかしい!!!大丈夫かな、女だってばれないかな、あああ怖い
「でもよー苗字、お前がに股はやめや」
「ほんまにそれな、萎える萎える」
「うっせえな!俺は男だぞ!」
ていうか、私すっかりガニ股が板について…女として少し心配だった
「…男装時…」
「…あ、謙也」
「………か、……」
「…か?」
「……か、かかかかかわ、皮」
「は?」
「…か、皮と骨やな、自分」
「は?なんだよケンカ売ってんのか」
その瞬間謙也はどこかへ走って行ってしまった。もう知らない。悪かったな皮と骨で
「かわええやん、苗字」
「白石君」
白石君は、それはもうにっこにこしてて、なんかもう、何も言うまい、そう思った
「うん、サイズよさそう」
「あ、春野さん」
「苗字君の見た目だけで作ったから、心配だったけど…大丈夫そう」
「…あ、なんかすげー動きやすいよ、かわいいし、ありがとな」
そういうと春野さんはニッコリ笑った。かわいいなあ…
「じゃあ、本番は白タイツにパンプス、あとウィッグもよかったらかぶってもらって、そんな感じでいいかな」
春野さんは俺とあとカワイイ要員の高岡君と朝倉君に声をかけた。2人ともにあってるな…女顔負け…。とにかく、ばれなきゃいいんだ、ばれなきゃ。