何言ってんの


「なー男装時は衣装何色にするん?俺決めたろか?」
「うるせー変態」






クラスの出し物が女装喫茶という意味のわからないものにきまってから、謙也はずっとこの調子だ。謙也ってこんなに女装好きだったのか…なんか…ちょっと…










「キモイ…」
「え?なんて?」
「別に」










もう放っておこう。私には関係あるまい。女装なんてするもんか。









「ていうか、俺女装しねーからな」
「は!!!!????」
「当たり前だろ、やりたくないし」
「な、なんでなん!?く、クラスのためやろ!」
「俺がやらなくても、佐々木あたりがやったらいいんじゃない?」






佐々木とはクラスにいる、しょたっぽい男の子。背が小さくて、目がでかくて、これまた女顔負けの女顔なんだな。大体、私が女装したら、名前になっちゃうもん。そしたらさすがに会ったことのあるテニス部の奴らにはばれる。うん。







「な、なあ、考え直して…」
「直さねえけど」





謙也を放っといて私は荷物をまとめる。今日はもう部活始まってるらしいけど、皆行かないんだってさ。まあ勉強しなく茶だもんな、だって中三の秋だもん、てか謙也勉強しろよ








「何の話してるん?」
「おー白石。今男装時の文化祭の衣装について話し合ってんけど」
「話し合ってない。謙也が一人で言ってるだけだろ」
「ああ、その話か」





白石君は、この話には乗らないはずだ。女装したら名前になる、私の正体がばれる、白石君にも迷惑な話だろう





「ピンクとかでええんちゃう?」






!!???






「しっ白石、くん…?」
「そんで、真っ白エプロンとかで」
「うっわ白石の趣味エグいなー」
「ちょ、ちょっと!!」



私は白石君の腕を引っ張り教室の隅へ移動した。なんなの白石君?何が狙いなの?もしかして私の正体バレてもどうでもいいの??



「白石君!何言ってるの!?」
「何って…名前がピンクきたらかわいいやろなーって」
「そういう話じゃなくて!!俺が女装したら名前になっちゃうって言ってるだろ!正体ばれるだろ!白石君はそれでいいの!?」
「せやから」






嵐のように怒鳴る私にひきかえ、天使のような白石君の微笑み。な、なに、この顔は…







「ウィッグ、かぶればええやん。ショートの」







あああああああ




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