関門はあのこ




「よ、白石君、おはよー」
「……」
「なんだよ、何むくれてんだよ朝から」
「…眉毛、りりしい」
「え?」
「…言葉づかい、悪い」
「仕方ないだろ、男装しなきゃいけないんだから。今日から新学期なんだぞ」







学ラン姿の私を見て白石君ははあ、とため息をついた。失礼な!






「じゃ、おばさん、いってきます」
「いってらっしゃーいっ、なんだかすごく美少年ね、名前ちゃんっ」
「名前じゃなくて男装時ですよ」
「あ、そうだったわね!じゃあ二人ともがんばってきなさいね」
「はい、いってきます」
「…いってきます」






ガラ




ドアを開けるとまぶしい太陽の光が。ああ、朝から学校とか久しぶりだなー。







「…おい、白石君、」
「なんやねん」
「いつまでふてくされてんだよ」
「しらん」
「ちょっと」
「昨日はちゅうしたら、めっちゃ顔赤くして照れてて可愛かったのに、なんで男装なんてするんや…ありえん」
「仕方ないだろ、男装して転入しちゃったんだから」





そういえば、昨日は大変だった。あのあと、、





『し、しらいしくん、今、』
『これ、ファーストキスなん?』
『う、うん』
『顔真っ赤やん』
『う、うるさいな』



ペロ、



『…え』
『な、口、開けて』
『ちょ、今』
『はよ、開けて。俺我慢できひんし、』
『え、何、無理、何するの?』
『深ーい、チュウやって』
『え、んぐッ』



こんな感じで白石君に散々深ーいチュウとやらをされて、恥ずかしくてしばらく口を利かなかったのである。






「…もう、昨日みたいの禁止な、」
「え、なんでなん?」
「だって、…あーもういいじゃん!ホモになるし!」
「いみわからんわ!」
「とーにーかーく!学校ではボロ出さないようにしろよ!お互いに」
「…せやな、」














名前が男装することで男よけになるってのはいいけど、あのかわいらしい女の子な名前を見れなくてとってもとってももどかしい。そんでもって、関門がひとつ、







「…謙也、どないしよ」









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