おいだされたぜ


「いい?」
「おん、ええで」
「いくよ?」
「おん」
「じゃあ、押すよ?」
「おん」
「あああやっぱ無理!」








わあああと叫びながら私はその場にしゃがみこむ。現在私の家の玄関。インターホンを鳴らすか鳴らさないかでこんなに緊張したことはない。








「なにしてるん、俺が押したるわ」
「え、ちょっと…!」








ピンポーン









あああああ鳴らしちゃった!白石君本当に肉食系!(使い方違うか)










「はい…って、お嬢様!?」
「き、木村さん…」
「勝手に家を飛び出しなさって、奥様も心配されてますよ」
「…あ、ごめんなさい…えっと…」
「ん?…そちらの方は?」
「えっと…クラスメイトの、白石君。」
「白石君…」









白石君、という言葉を聞いて、木村さんは眉毛をピクリと動かした。そしてすぐに屋敷の奥へ行き、お母さんを呼んできた。






「…名前、勝手に外に出るんじゃありません」
「…ゴメンナサイ」
「で、そちらの方は」
「…えっと、クラスメイトの…」
「白石蔵ノ介です」





私の声を遮り白石君が名乗り出る。うわ、修羅場っぽい











「…あなたが、白石君ね。噂には聞いていたわ。うちの娘が色々ご迷惑かけてるようで」
「いえ、とんでもないです。今日は名前さんのお母さんにお話があるんです」
「…どうぞこちらに」







お母さんは私たちに背を向けて、客間へと案内した。部屋の前に着くと、白石君に「名前ちゃんはちょっとまっててな、」と言われて、追い出されてしまった。白石君、大丈夫かな…








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