一緒にごはん
帰り道皆がだんだん曲がっていって最後はあたしと千歳の二人だけになった。いつもと変わらないことなのになんだか全く違う感じがしてどきどきする
「あ・・・荷物」
「直接きてよかよ」
「うん。あ、買い物どうする?」
「特に買うものはなか」
「・・・・・・」
「たいしたもんつくるわけじゃなかよ」
しばらくするとあたしの家に着く手前で千歳の家に着いた。普通のアパートだけどあたしのアパートより綺麗な気がする。千歳にくっついて階段を上りすぐ手前の部屋には千歳という表札があった。扉を開くと、くる途中「部屋は散らかってはなかよ」と千歳いった言葉がよく理解できる光景が広がった。机に棚にベッドにテレビ。必要最低限以外のものは何一つ無かった。
「・・・これじゃ散らかるにも散らかせないね」
「え?」
「・・・・なんでもない」
棚をちらっと見てみると、ジブリのビデオやらDVDやらがずらりとならんでいる。うわあ。
「名前、ジブリ何がよか?」
「・・・ハウル」
「乙女たいね〜」
千歳は意外そうな顔をしながらハウルのDVDを出してセットし始めた。え、見るの?
「名前テレビみとって。何か作ってくるたい」
「あ・・・ありがとう」
▽
しばらくすると千歳が水をもってきてくれた。あ、マズイ。ハウルに夢中で手伝い何にもしてなかった。
「ごめん、何か手伝おうか?」
「大丈夫たい。もうできた」
え、早。まだ30分くらいしかたってなくない?
「ん」
「あ、ありがと」
二人分用意してくれたのは炊き込みご飯。たしかにコレならただ炊くだけかも・・・
「いただきます」
「ん〜」
千歳は座ってご飯を食べだすと、ハウルに夢中であたしの話はあまり聞かなくなった。(そんなにジブリすきなの)
「は〜おもしろか〜」
「・・・凄いすきなんだね」
「あ、それしょっぱくなか?」
「うん。おいしい」
あたしももっと知恵を絞って料理しなくては。毎回カップラーメンはさすがにまずいよなあ・・・
それからはずっとハウルの話で盛り上がり、いつの間にか9時になってしまっていた。家は近いから別にいいけれど、今思えばあたし男の家にいるんだよ、こんな夜中に。いいのかな
「・・・あ、千歳時間いいの?」
「俺は全くかまわんたい」
「そ、そっか」
う〜ん。どうしよう。帰るタイミングがない。テレビではハウルとソフィーが盛り上がってる。あ〜感動するなあ。・・・あれ?
「・・・千歳?」
「・・・・・・・」
ねてる