夕飯の約束
お菓子を全部食べおわり、皆で帰ろうと外へでた。あたしにはまったく関係ないと思っていた文化祭だが、意外な感じに濃い思い出になってしまった。
「あ、名前ちゃんの写真とるの忘れたわ〜」
「しゃ、写真なんてとらなくていいからっ」
「小春小春、俺がばっちりおさめといたで」
となりでユウジがニヤニヤしながらカメラを持ってる、ちょっと!盗撮じゃない
「さすがユウ君や〜焼き増し頼むで!」
「まかせときー!」
ああ、アホだ。それでその写真が白石やら謙也やらに回ってしまいに愛子にも回って・・・。なんだか展開が読めてくるようになったぞ(あたしも進歩したな)
「あ、俺まがりますわ」
「俺と小春もまがるで」
「わいもー!白石たこ焼き食べたいわー」
「何ゆうてるんや。さっきケーキばくばく食べとったんはどいつやねん」
「また明日な」
一番挨拶らしい挨拶をしてくれた石田君に手を振ってみんなを見送った。そのときあたしは重大なことに気付いた。うわー今から千歳と二人だったっけ。どうしようどうしよう
「名前」
「・・・・あ、・・・」
「・・・・こっち向くばい、傷つく」
あたしはドキっとしてぐるりと千歳のほうを向いた。
「あはは、おもしろか」
「・・・ごめん・・」
「誤ることなんてなんもなかよ。名前、今日夕飯一緒にくわん?」
「夕飯・・・?」
そういえば千歳も一人暮らしだっけか、ってことはもしかしてあたしが料理つくるとか?ちょっと無理無理
「あたし料理はしないよ」
「あ〜ええよ、俺がつくるばい」
「えっ、作れるの?」
「そりゃあ一人暮らししとるから」
あ、そうですよね