素直じゃない




『千歳にあいたい…』




夢かこれは。いや夢じゃなか!あのあとほっぺたをつねってみたがあり得ない程痛かった。名前が俺にあいたがっちょるて、………………………ニヤケる…




「………フハハ」

「…お、お兄ちゃん気持ち悪か…」









カチャ



水を少し飲んでいたら跡部が入ってきた。あ、きまずすぎるよ。跡部は無言でベットの横の椅子に座った。




「…どうだ調子は」

「あ…おかげさまで…」



よくはなってないけどね



「お前、入院だってよ。このまま家帰らせてもどうせ飯くわねえだろうからな。多分千歳が帰ってくるまでだろ」



どきり。千歳が帰ってくるまでって…。




「…名前」

「は はい」

「…お前、千歳が好きなのか」

「………………………多分」

「はっきりしろ」

「うん、す…き」




恥ずかしい。跡部の顔が見れない。




「…仕方ねえな。俺じゃあお前を救ってやることもできなさそうだしな」

「え…」

「今回は俺の負けだ」

「あ、あと」

「おい名前、てめえは俺様をふったんだぞ。さっさと千歳に気持ち伝えて体調治せ。ぐずぐずなんで絶対すんなよ」




バタン、跡部はいいたいことを言うと勢いよく部屋から出ていった。それと同時に侑士君が入ってきた。



「はは、素直じゃないなあ跡部は。」

「侑士君…」

「あれでも名前ちゃん応援してくれたんやで。」

「………うん。跡部って実は優しいよね」

「ま、相手によって違うけどなあ。名前ちゃんやったからやさしかったんや」

「………………うん」

「名前ちゃんがんばり。はよ体調治してな」

「…ありがとう」








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