素直じゃない
『千歳にあいたい…』
夢かこれは。いや夢じゃなか!あのあとほっぺたをつねってみたがあり得ない程痛かった。名前が俺にあいたがっちょるて、………………………ニヤケる…
「………フハハ」
「…お、お兄ちゃん気持ち悪か…」
▽
カチャ
水を少し飲んでいたら跡部が入ってきた。あ、きまずすぎるよ。跡部は無言でベットの横の椅子に座った。
「…どうだ調子は」
「あ…おかげさまで…」
よくはなってないけどね
「お前、入院だってよ。このまま家帰らせてもどうせ飯くわねえだろうからな。多分千歳が帰ってくるまでだろ」
どきり。千歳が帰ってくるまでって…。
「…名前」
「は はい」
「…お前、千歳が好きなのか」
「………………………多分」
「はっきりしろ」
「うん、す…き」
恥ずかしい。跡部の顔が見れない。
「…仕方ねえな。俺じゃあお前を救ってやることもできなさそうだしな」
「え…」
「今回は俺の負けだ」
「あ、あと」
「おい名前、てめえは俺様をふったんだぞ。さっさと千歳に気持ち伝えて体調治せ。ぐずぐずなんで絶対すんなよ」
バタン、跡部はいいたいことを言うと勢いよく部屋から出ていった。それと同時に侑士君が入ってきた。
「はは、素直じゃないなあ跡部は。」
「侑士君…」
「あれでも名前ちゃん応援してくれたんやで。」
「………うん。跡部って実は優しいよね」
「ま、相手によって違うけどなあ。名前ちゃんやったからやさしかったんや」
「………………うん」
「名前ちゃんがんばり。はよ体調治してな」
「…ありがとう」