あなたのせいです




「名前ちゃん、顔色わるいなあ」

「え?」

「ほんまや、大丈夫か?」

「うん。なんともないよ。」




小春とユウジが心配そうにあたしを見てくる。そんなに顔色わるいかなあ?確かにちょっとクラクラするなとは思った。でもここでそんな事いったらみんな困っちゃうし、



「名前大丈夫か?」

「白石…。うんなんともない」

「でもほんまに顔色よくないで?」



熱でもあるんか?と謙也があたしのおでこに手を当てる。だけど生憎体温は正常だ。





「なんともないから、みんなちゃんと部活戻って」




今日は跡部もいないんだし、がんばらなくちゃ。でも帰ったら少し寝よう












「名前」

「ん?」

「今日は俺が送ってくわ」

「え、なんで?」

「名前顔色めっちゃ悪いで。」

「え…そんなに?」

「白石ー!ワイも名前送りたいー!」

「だめや金ちゃん。ええ子はまっすぐ家帰り」

「でもあたしほんとに大丈夫…」



白石はグイっとあたしの腕をつかんで、いつもあたしが曲がる方向へと歩いていった。謙也が少しついてきたそうな顔をしてた。あ、かわいい。



「白石、手」

「あ、ああ。スマンな」

「あたし大丈夫だよ?」

「…あんなあ、」

「多分朝あんなに走ったからこんな体調になったんだとおもいますけど」

「………」



白石は言葉をうしなった。おもしろい。




「…まあ、みんなあたしのこと心配してくれてるらしいし、今日はいっぱい寝ようかな」

「ん。」




少し会話が途切れた。あ、どうしよう。





「…あんな」

「…ん?」

「千歳いつ帰ってくるかわからんなあ」

「え…そ、そうだね」

「名前大丈夫か?」

「………なに?」




あたしは立ち止まって白石を見た。いつになく真面目な顔。どうしちゃったんだろう。どうしたらいいんだろう。





「自分のことって以外と自分じゃ見えてないんやで」







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