地獄の一日
「おはよーさん」
「……また白石だ」
「ひっどいクマやな。どないしたん?」
「別に………」
なんだか夏休みになってから白石が朝あたしの家の前であたしを待つようになった。いったいどうしたのだろう。あたしはというと昨日12時までだらだら勉強し、風呂に入って歯を磨いて寝ようと思ったが思うように寝れなかった。あんだけ昼寝したら当たり前か
「今日もちゃんと飯くったか?」
「ん〜………まあまあ…」
嘘です。朝はこれまでにないほどだるくてあたしは家を出る直前までゴロゴロしていたのだ。白石は他愛ない話をずっと話している。けれどそれだけでも気分がすこし紛れた気がした。
▽
「なんで」
「……来たいっていうてたから……練習相手にもなるかな〜おもて………」
学校につくやいなや目にうつったのはまたありえない光景、なぜ侑士君と跡部が?ああもう!人生妨害!
「…白石、あたし急に用事が」
「名前、嘘はあかん」
「…………………」
悪魔!あたしの地獄が始まろうとしていた。練習が白石の声で始まるとあたしはとにかくコートに居たくないの一心でひたすら仕事をさがした。
「白石!汗かいたでしょ、そのタオル洗ってあげる」
「え、あ、ちょお…っ」
「謙也!走りすぎで靴汚いよ、ふいてくるから靴かして」
「お、おい!靴ないと部活できんやん!」
「小春!アフロ汚くなってるから洗ってきていい?」
「あかんあかん〜今からネタあわせやねん」
「石田君!アイシングとか必要でしょ、氷とってきてあげる」
「い、いや、今はあまり…」
「名前、集合」
あれ、なんか白石が困った顔してあたしを呼んでる。なんだろ
「何?」
「…全く困った奴や…。そないに跡部とおりたくないん?」
「うん」
「えらい即答やな。…せや、名前には部室の掃除でもさせるんが一番やな。せやから今すぐ謙也の靴を戻してその氷溶けんうちに戻してき。」
「………………ありがとう」
白石ありがとう!なんだか神に見えた。ホントにホントにありがとう。