一人の一日
「は〜めっちゃ食ったわ!」
「またこような〜」
「小春〜アイスでもくわん?」
「お、ええなあ」
「…………………」
ぐううぅぅぅ……
今ラーメン屋から出てきたばかりのはずなのにあたしはお腹が空いてぐるぐる鳴っていた。これもみんな跡部のせい!へんな約束もさせられたし、ほんとついてない。しばらく歩くといつもの曲がり角についてしまった
「あ…………」
そうだった。もう千歳はいないんだ。ここからは一人で帰らなきゃいけない。なんだか胸にぽっかり穴が開いた気分だった。
「名前、俺らこの道曲がるけど………」
「名前ちゃん一人で大丈夫?」
「え…あ、大丈夫大丈夫。まだ昼だし」
「家の前までいこか?」
「ホントに大丈夫。じゃあまた明日」
白石の親切を断り、あたしは小走りで家まで帰った。この道を一人でだらだら歩きたくはなかった。
▽
ガチャ
「…………ただいま」
誰もいるはずのないことはわかってるのに何となく言ってみる。あたしは家に着くとすぐベッドへダイブした。
「……つかれたあ〜…」
まだ1日の半分くらいのこってるのにこの疲労感はなんなんだろう、あたしは自然と目を瞑り夢のなかへと落ちていった。
▽
「…………………はッ」
がばっと起きるとあたしは真っ暗闇のなかにいた。へ?ここどこ?と寝呆けたことをいったあとにただ周りが暗くなった事に気が付いた。電気をつけて目覚ましを手に取るとなんと10時。どうやらあたしは1日の平均睡眠時間分眠っていたらしい
「またやっちゃった…なんでこうだらしないんだろう」
なにか食べなきゃ、でもつくるのだるい。でも食べなきゃ。あたしは少しだけ食べるために冷蔵庫から卵を出して殻をわり、適当に味付けして卵焼きをつくった(3分!)テレビをつけたらお笑いやらなんやらがやっていて、見る気はなかったけど付けておいた。それから少しだけあたしは卵焼きを食べながら夏課題をやった。
(千歳のことを考えないように)