ラーメン屋事件勃発



しばらく財前君と水を飲みながらまっていると餃子を頼むことにしたらしい白石たちもテーブルに集まってきた。しばらくすると頼んだラーメンもきた。あたしのラーメンは皆のラーメンの中で一番ショボかった。まあ安いから仕方ないよな…



「よっしゃ!たべるで〜!」

「小春〜たべさせてやろか?」

「いらん」

「名前水とって」

「はい。……あれ?謙也は?」

「そいえばさっきから姿が見えないっスね」

「さっきトイレいく言うてたで」

「ふうん…(にしては長すぎる)」



どうしたんだろ。謙也は朝から挙動不審で様子がおかしかったのだ。あ、ラーメンおいしい。



「お、謙也〜ラーメンきてるで」


どうやら戻って来たらしい謙也を見つけ白石が手を振った。あたしもそっちに視線をうつすとそこには信じられない光景が目にうつった。




「………………名前」

「……………………」

「…………ごめん…」

「…………クソ謙也」




青ざめた顔をした謙也の後ろには東京にいるはずの侑士君がいた。それならまだしも何故その後ろに跡部がいる?何故何故何故



「……そういえば財前君」

「はい」

「さっきみた物凄い人って」

「はい」

「………侑士君と跡部?」

「はい」

「さきに言えよ」



ばか財前!言ってくれれば逃げられたのに!ああもうなんて不親切な後輩…!




「久しぶりだな名前、俺様と会えなくて寂しかっただろ」

「いえ全く」

「それよりメールしろっつっただろ」

「そうだっけ」



あたしはなるべく跡部と目を合わせないようにした、ああ蘇る!あのときのキショく悪いキスが……………



「ごちそうさま…」

「え!名前!まだ半分も食べてないやんか!」

「なんか急に食欲が…。遠山君食べたかったら食べていいよ」

「おおきに―!」



あたしはラーメンを遠山君にあげると席を立ちトイレに逃げようとした。



「名前、出かけるぞ」

「は?」

「今から俺様とデートだ」

「無理……」

「お前に拒否権はねえ」

「あーもう!ちょっと侑士君、今すぐこれを東京に持ち帰って」

「無理やって。跡部大阪いくてきかなかったんやで。ほんまに名前ちゃんにあいたかったんやて」

「おい忍足…っだまってろ」




あ、跡部が赤くなった。こんなの見たの初めてだった。かわいいとこもあるじゃん



「でもこれとは話が別…あたしすっごい忙しいから帰らなきゃ」

「うそだろ」

「(うそだけど)…とにかく帰ってよ〜…」



あたしはトイレへ逃げ込むのが無理そうだったので席に戻り財前君の肩に隠れることにした。



「…ホントに肝のすわった女だな。名前、1日だけあけとけよ。そうだな…5日だ」

「え、ちょっと」

「5日の9時におまえの家に迎えにいってやるよ」



爆弾発言をさらりと発し跡部はさわやかにラーメン屋を後にした。侑士君はあわてて跡部を追い掛けていき、二人がいなくなった空間には微妙な雰囲気がただよっていた



「名前…………苦労すんなあ」

「じゃあ助けてよ白石……」

「無理や。跡部を相手にはしたくあらへんわ」

「薄情…………」



遠山君はラーメンを食べおわり餃子へと手を伸ばしていた。跡部が去った瞬間やけにお腹がへった。遠山君にラーメンあげるんじゃなかったな。







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