お買い物




教室にもどると入り口に千歳がいた。いまあんまり会いたくないなあ。そういえば一緒に帰る約束したっけ。





「名前」

「ごめん千歳。今支度するから」

「名前」

「え?」

「今金持っちょる?」

「…………え?」










「ちょ、ちょっと千歳」

「ん〜?」

「何してるの」



千歳に引っ張られて連れていかれた先はスーパー。あ…ここは前財前君にお金を借りた苦い思い出のある…



「野菜と肉と魚」

「え」

「今買っとかんと名前絶対飯つくらんばい」

「ああ…」



そっか。千歳は明日から九州にかえるんだっけ。確かにご飯つくる気にならなさそう…



「ごめんわざわざ」

「心配だかんね〜」



千歳はなんだか色々買ってるご様子。そんなにかったら食べる前に腐らせちゃう、というと少しだけ減らしてくれた。



「これでよかばい。金俺も出すからこれ」

「え…い、いいよ。あたしのご飯のことだし…」

「ばってん俺が無理矢理つれてきたんやし」




そういって千歳はレジでお金を払うときに半額だしてくれた。なんでこんなにやさしいの



「千歳………」

「ん…?」

「(ごめんね)」




また言えなかった。千歳にかける言葉はごめんじゃなくてありがとうのほうが合ってる気がしたから。そう思うとあたしの罪悪感も和らいだ気がした






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