お呼び出し2


怖い
怖い怖い怖い
でも奈々子ちゃんはかわいい顔してるからあんまり怖くなかった。っていうか何の用だろう。やっぱり千歳関係?また殴られるのか?奈々子ちゃんはあたしを裏庭まで連れて行って、こっちを振り向いた。本当にかわいい子。なんで千歳はこの子をふったんだろう。どうしてあたしを選んだのだろう



「あのね、一言言いたいことがあって」

「…ハイ」

「そんなに緊張しなくてもいいよ。…千歳君に聞いてるよね」

「え…あ、ハイ」


奈々子ちゃんが千歳に告白したこと?だよね、



「大丈夫だよ、あたしは高橋さんみたいに殴ったりしないから」

「あ…そっか…。…あれ?何で知ってるの?」

「あたしテニス部のファンクラブはいってるから」



えー。なんかショックだ。こんなかわいい子までがあのファンクラブに…驚きと衝撃であたしの脳内はショートした。




「千歳君、名字さんのことすっごいすきなのよね」

「…え…」

「にこにこしてるかと思えば、名前と帰る約束したーとか、沈んでるかと思ったら名前が他の男と喋ってたーとか、聞いてるこっちがむかつくほどの溺愛っぷりよ」


「…あはは…」

「あたし千歳君のこと大好きだけど、あれだけ名字さんのこと好きな千歳君見てたら諦めるしかないなって思って」


「…はあ…」

「で、あたしが言いたいことなんだけど」

「はあ」

「名字さんて千歳君と付き合うつもりはないんでしょ?」

「………え……」

「だったら千歳君にはっきり言ってほしいの。付き合えないって。千歳君かわいそうだもの」

「…………………」




返事が返せなかった。あたしがきっぱり千歳を断ったらどうなるんだろう。千歳につらい思いをさせてるっていうことには気付いてた。菜々子ちゃんの言葉はあたしにとどめをさした。



「………名字さんの気持ちはよくわからないけど……あたしが言いたかったのはこれだけだよ」



そういうと菜々子ちゃんは校舎へと戻っていった。なんだか胸がひどく重かった。





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